2015年6月3日水曜日

三原順 先生と「はみだしっ子」について

大分前の話になりますが、5月18日月曜日、夜11時30分から放送されているNHKの「NEWS WEB」で、三原順先生と「はみだしっ子」が取り上げられました。
今、お茶の水にある「米沢嘉博記念図書館」で「~没後20年展~三原順 復活祭」が開催されているそうです。入場は無料。会期は2015年6月14日まで。開館時間は月・金が14時~20時、土・日・祝が12時~18時までだそうです。詳細は明治大学ホームページの米沢嘉博記念図書館の展示イベントで確認できます。

私にとってお茶の水は学生時代に通った懐かしい街ですが、幼稚園児の子どもがいる横浜在住の主婦がこの開館時間で行って帰って来るのは難しいので、今回は諦めました。代わりに河出書房新社から出版された「総特集 三原順 少女マンガ界のはみだしっ子」を購入しました。買うかどうかかなり迷いましたが、書店で現物を見たら迷いが消えて即買いしました。紙質もよく、カラーページもふんだんにあり、三原順先生について多くの方があらゆる視点で語っています。

今回、「NEWS WEB」を観たのをきっかけに、三原順先生に関する情報を集めようとネット検索すると、意外にもたくさんのサイトで三原順先生について語られていることを知りました。

三原順メモリアルホームページ
三原順記念館

代表的なサイトはこの二つかと思います。
「はみだしっ子」は、「はみだしっ子語録」という本が出版されるほど名台詞が多い作品でした。三原作品は奥が深く、他の文献や音楽からの引用や影響もあり、それを探し当てるのも楽しみのひとつのようです。上に挙げたサイトやその他個人のブログなどで、多くの方々が様々な解釈や考察をされています。

没後20年展というように、三原順先生が亡くなられたのは20年前でも「はみだしっ子」が描かれたのは1975~1981年でした。ちょうど私が小学1年生~6年生までの間のことで30年以上前です。白泉社から月2回刊行の少女マンガ雑誌「花とゆめ」に連載されていました。
初めて「はみだしっ子」を見たのは確か、1979年花とゆめ2号の綴じ込みふろくのカレンダーでした(記憶があやふやでしたが「総特集 三原順~」の50pに掲載されていたので確認できました)。4人のかわいい男の子のイラストを一目で気に入り、やがてコミックスを集めて読みました。「花とゆめ」を定期購読し始めたのはPart19「つれて行って」になってからのことで、総集編を組んでいた「別冊花とゆめ」も買って読んだ記憶があります。

「はみだしっ子」は、親から捨てられ、あるいは親から逃げ出した、グレアム、アンジー、サーニン、マックスという7歳の男の子2人と5歳の男の子2人が出会い、4人で生きて行くお話です。花とゆめコミックスで全13巻、Part1~19までと番外編(短編)からなっている作品でした。
Part10「山の上に吹く風は」でバスジャック事件がありバラバラになった彼らが、Part11「奴らが消えた夜」で2年ほどの時間が過ぎ再会を果たし、part17「クリスマスローズの咲く頃」では4人まとめて養子にしたいという家庭に入り家族になります。その頃彼らは13歳と10歳でした。もちろんラブストーリーではないし、同情を誘うお涙ちょうだい的な内容でもなく、ほのぼのするわけでなく、めでたしめでたしでもありません。
小学生の時に読み、とにかく考えさせられ、考えて、考えて、でも理解できない部分がたくさんありました。しかし、色々なことを教えてくれた作品でもありました。自分の中の、親や大人や他人に対する考え、そして「死」についての考え方など「はみだしっ子」から多くの影響を受けたと思います。

「はみだしっ子」は台詞や内容について色々と書かれることが多いようですが、個性の違う4人の男の子というのは、マンガ版のアイドルグループのようなものです。理知的なグレアム、おしゃれで斜に構えたアンジー、野性児サーニン、かわいいマックス。三原順先生の絵も素敵で、カラーイラストや様々なグッズを手に、私も「きゃーグレアム!」と、ときめいていました。

「はみだしっ子」のマックス

「総特集 三原順 少女マンガ界のはみだしっ子」を参考にちょっと頑張ってマックスを描いてみました。

私は結婚を機に「内容は同じだし未収録の作品も載っている」という理由で、花とゆめコミックスの全13巻の「はみだしっ子」を処分し、「はみだしっ子全集」全5巻だけを手元に残しました。しかし、ファンとしては「どうして処分してしまったんだ~>_<!」と大失敗したと感じないわけにはいきません。
花とゆめコミックスでは、4巻は「山の上に吹く風は」がちょうど良く収まっているし、以降も、5巻「奴らが消えた夜」、6巻「裏切り者」というように区切りよく収められていて、カバーイラストも当然内容に対応したもので、コミックス、全集、文庫と出ている中で、読みやすさではコミックスが一番だと思います。

20代の頃にはほとんど揃えていた三原順先生のマンガやグッズは全て手放してしまいましたが、レコード、カレンダー、語録、原画集、絵本、今考えると、アニメ化したわけでもない作品がよくもこんなに色々なグッズを発売していたなと、少女マンガ黄金期だったのか、出版バブル期だったのか、不思議な気持ちです。

私が今でも持っているはみだしっ子のトランプは「はみだしっ子のトランプランド」というトランプとはみだしっ子のキャラクターがトランプの遊び方を解説する本がセットのもので、解説本は処分しましたがトランプは手元にあるという中途半端な一品です(^_^;)